長女・次女とも中学受験はせず、地元の公立中学校へ。
初めての受験は「高校受験」でした。
合格発表の日、私は午前中で仕事を終了。
昼食後、長女が受験した高校へ。
職場から高校まで、電車を乗り継いで約1時間かかります。
長女と顔を合わせないようにするため、発表時刻の30分後、14時30分頃に高校に到着するようにしました。
電車に乗っている間、「合格してますように・・・」「ダメだった時は長女に何と声をかけようか・・・」など、色々なことを考えて落ち着きません。
最寄り駅で電車を降りて高校へ。高校の門をくぐって掲示板の前へ。
予定どおり発表から30分ほど過ぎていたので、人はまばら。
受験番号は覚えています。緊張しつつ、番号を探していくと・・・
「・・・あった!」
最後から2枚目の用紙の最後尾。用紙の右下に長女の番号がありました。
すぐに妻にも電話で報告すると、
「見間違えてない⁉ 、本当に合格⁉ 、よかった・・・」
と、安堵した様子。
親として初めての子どもの受験。何とか第1志望校に合格。
自分が高校・大学に合格した時以上に嬉しかった・・・
かといって、中年のおじさんが掲示板の前で「よっしゃ~」「やった~」などと叫んだりするのもどうかと思い、何食わぬ顔で高校を後にしました。
校門を出てから駅に向かう途中・・・私の10mほど前に、うなだれて自転車を押しながら歩く女子生徒とその母親。
私が、その親子の2~3m後ろまで来た時・・・
とうとう女子生徒は立ち止まってしまいます。
その横を私が通りすぎようとすると、彼女の目から大粒の涙が2粒、3粒・・・ポタポタと音を立てて地面に落ちました。
肩を抱きながら、慰める母親。
思わず、もらい泣きしそうになります。
「長い人生、いつも希望どおりの道に進めるわけじゃない。今回は第1志望校に届かなかったかもしれないけど、進学した高校で頑張れ!」 と、心の中でつぶやきながら、その場を後にしました。
もう何年も前のことですが、この場面は目に焼き付いています。
なお、5年後、次女はこの時の女子生徒と同じ立場になるのですが・・・
夕方、長女よりも私の方が先に帰宅。
得点開示や必要書類の受け取りなどの手続きがあった長女は、私よりも30分くらい後に帰宅。
「ただいま」と帰宅した長女。うれしくて、はしゃいで、大喜び・・・というタイプではありません。喜びをかみしめている、といった様子。
夕食時、私が買って帰った"豚まん"と"シューリーム"を食べながら、帰宅途中で見かけた女子生徒の話をしました。
その話を聞いた長女。
「もしかしたら私も同じ立場になってたかもしれへん。せっかく行きたかった高校に入ることができるんやから、しっかり頑張るわ!」と、決意表明。
言葉どおり、高校入学後、勉強・クラブ活動・その他課外活動・・・など、色々なことに前向きに取り組んで、大きく成長してくれました。
振り返って考えると、長女にとってはこの高校に入学できたことは非常に大きかった。
大学進学よりも高校進学の方が大きなターニングポイントだったのでは?、と思います。
【今日のひとこと】 "合格発表の日は、半休を取って高校へ。"